その昔、海から堺の川にやってきたとされる珍獣。わざらしが海に帰った際、その川はそれは美しい色に染まったという。
大阪・堺市の伝統産業の一つに数えられる注染・和晒(ちゅうせん・わざらし)。注染・和晒は、古くから和晒の生産地として名を馳せた堺に、大阪の注染業界が移転したのをきっかけに堺の地に根づいた伝統産業です。江戸初期から水量の豊富な石津川沿いで多く生産されている伝統地場産業「和ざらし」は、木綿から不純物を取り除いて漂白した生地のことで、この「和ざらし生地」に注染法という、伝統的な手染めの手法で染め上げたものが注染・和晒です。表と裏を同時に染めるのが特色で、長く利用してもほとんど色あせがありません。2019年11月には、「浪華本染め(注染)」として、国の伝統的工芸品に指定されました。
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